この記事ではサークルうみなべ、まさみね堂の活動についてまとめました。
2023年の総括
旧年の目標は「結果」でした。
2021年から始動したプロジェクトを2022年中にまとめ上げ、2023年に発表していくという3カ年計画の総決算を目論んでいた年になります。
NFTゲームへのゲームデザイン協力、クラウドファンディング2本、オンラインゲームのバージョン1のサービス完了と、プロジェクトごとの活動がありました。
プロジェクトに分けて、振り返りと今後について述べていきます。
けっこう色んなプロジェクトが出来ており、とにかく世に出してみようと思っているので、2023年に浮かんだ泡沫のすべてを記しておきましょう。
東方リキャストリフト
2020年開始のオンラインカードゲームです。
プロジェクトリーダーはsaito
2023年10月に一旦のサービス完了としました。
終了ではなく、完了としているのは、バージョン1としての『東方リキャストリフト』は2023年10月に完成したと考えているからです。
完成した『東方リキャストリフト』はプレイアブルキャラクターの増加によって、ゲームの構造的な欠陥となる部分が見えてきました。そうした部分を見直して、より公平なゲーム体験の出来る対戦カードゲームにしていきたいです。
現在はバージョン2の『東方リキャストリフト』を展開しています。
本ゲームのランニングコストは0円なので、遊んでくれる人が居る限り続けたいです。
ゲームを遊ぶ機会を減らして、創作に時間を回します。
それと、なんとか紙版を出して、制作チームに金銭的なリターンをしたいです。
今までクラウドファンディングは東方の規約的に出来ませんでした。
「神主がしてない頒布方法は出来ない」という暗黙の了解を、『東方ダンマクカグラ』が打ち破ってくれたからです。
また、ゲーム開発の読み物を隔週公開したり、4コマ漫画を毎週公開したり、色々と流入経路を増やそうと動いています。
自作ゲームを続けることの難しさをひしひしと感じる一年でした。
東方リキャストリフト公式サイト
https://sites.google.com/view/touhou-recast-lift
AVC(仮)
実在するアイドルを使ったメンコゲームです。
2022年末頃に依頼いただいた企業案件で、プロジェクトリーダーはTELL
この機会にアイドルのライブに行ったり、握手会に参加したり、マネージャーに睨まれながらインタビューしたり、まるで経験のないことを出来ました。
業務内容としてはNFTを用いたゲーム開発のルールデザインです。
システム開発会社の選定段階で、実装されたゲームをまだ遊べていません。
モック版のユドナリウムは、遊んでてけっこう面白いんですけどね。
早くテスト版で遊びたいものです。
一サークルに過ぎないのに企業案件だったことは新鮮な体験でした。
慌ててサークルの口座を作ったり、届け出を出して代表者を決めたりしてました。
システム開発会社の選定に1年掛かっているので、もしかするとこの案件はこのまま暗礁に乗り上げてしまうかもしれません。
しかし、クライアントが「やれる!」と言ったら、再始動するはずです。
その時はぜひ最高のゲームを作りましょう。
ドラコレ|Draft&Set Collection
バッティング要素の強い3~6人で遊べるドラフトカードゲームです。
プロジェクトリーダーはsaito
Kickstarterの営業担当さんと繋がる機会をいただき、Make100projectという100個注文されたらプロジェクト達成の企画に参加しました。
結果としては注文数5個で終幕しました。
Kickstarterは米国向けなのに日本語でゲームを出したのが一番の原因です。
言語依存のないゲームなのでKickstarterでやったんですが、肝心の説明文を日本語で作ってしまったので、米国人には伝わらなかったのだと思います。
他にもルール動画を入れたり、プレイしている人の映像を用意したり、やれることはあったはずです。キャンプファイヤーでもう一回やってみても良いかも知れません。
ドラコレ‐Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/sait3110c/draftandset-collection?ref=bj4cag
ラストワン
神経衰弱だけど、最後の1枚を取った人が勝ちっていうボードゲームです。
プロジェクトリーダーはsaito
アイディアとコンポーネントまで作った所で、私がコロナに感染してしまい進捗が止まってしまった作品です。
自分の体調優先だったので制作リストから外していました。
肝臓と甲状腺にダメージが残っていて、月イチで通院して治療中です。
ちょっとずつ体調も戻ってきたので、これも形にしてクラファンしても良いでしょうね。
死神は賽を振らない
出題者VS解答者のパズルゲームです。
プロジェクトリーダーはsaito、kazu
元々kazuの21gというゲームをベースに死神テーマで作ったゲームです。
サイコロの面を全部合わせると21になるので、立方体の展開図を題材にゲームにしました。
これもコロナの影でお蔵入りしてしまった作品の一つだから、この機会に復活させたいところです。クラファンもやりやすそうな題材なので、ビジュアルも頑張りましょう。
マキナリア
ロックマンエグゼ風のカードゲーム。
2020年制作開始、プロジェクトリーダーはkazu
ゲームマーケットで50部完売した作品です。
続編希望の声に応えてクラウドファンディングで続編を出しました。
結果は失敗。
ドラコレと同じ失敗をしていたと思います。
さらに言うなら、ティザープロモーション(作りかけのものをチョイ出しする奴)をやらないって方針を取ったので、いきなり「クラファン始めます!」って言って、知らず知らずのうちに「クラファン失敗しました!」ってなってました。
続編希望を出していた人が、「知っていれば応援してたのに……」というミスマッチを生んでいたのも良くなかったです。
kazuが続きを出したいと思うなら全然いいんですけど、果たして上手くいくかわかりません。成功体験が無いとやる気も落ち込んじゃうかな、と思うので何か成功しやすいプロジェクトをしてもらおうと思います。
マキナリア‐Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/machinaarea/machina-area-re2/description
タイブレーク
テキストレスのテニス2人用カードゲーム。
プロジェクトリーダーはsaito
カードの効果を廃し、カードゲームの小難しさを払拭しようとしたゲームです。
テスト版が出来て遊んでみた結果、めちゃくちゃ頭を使うゲーム性でした。
もっとカジュアルにして完成させたいゲームです。
オタカラビリンス
四色問題を用いて宝を奪い合うグリッド移動ゲーム。
プロジェクトリーダーはkazu
マップ上の宝を運ぶ単純なゲームですが、同じ色が隣り合っている所は移動できません。
グリッド移動の制約にパズル要素が入っているので、上手くパズルを組み合わせて最短距離を計算したり、逆にパズルを失敗させて相手の動きを封じたりできます。
テスト版を遊んでみて面白かったんですが、動き出しが9月頃なのでまだまだ実現までには時間がかかる模様です。
出来上がりを楽しみにしています。
じゃんけんゲーム(仮)
MtGを超シンプルにしたじゃんけんゲーム。
プロジェクトリーダーはsaito
カードゲームの魅力は3つあって「構築」「三すくみ」「シナジー」です。
これを極限までミニマル化してみようと試みました。
じゃんけん+少ないキーワード能力でゲーム作れるな……、と考えた結果です。
たぶん車輪の再発明。
とはいえ、シンプルなゲーム性だと誰でも遊んでくれるので、今の日本のボドゲ市場では相性が良いかなと思っています。
グラビティゾーン
救援物資を載せた貨物ポッドをスイングバイさせて目的の惑星へ届けるボーリングゲーム。
プロジェクトリーダーはsaito
スイングバイには実際のボールと、実際の「重力」を利用します。
中空に吊るした布の上の真ん中に重りを置くと、底面の広い逆円錐の形になります。
そこにボールを投げ込むと、まっすぐ転がらずに軌道を変えて転がります。
この重力が惑星カードによって、重りを増やすことで変化し、常にレーンが変わるボーリングゲームになりました。
なお、コンポーネントがめちゃくちゃ高くなりそうなので、実現可能性が厳しそうです。
3個くらい作って売るなら全然いけそうではありますが。
シルクロードの詩人たち
シルクロードを移動し、各地の叙事詩を集める10時間越えの重ゲー。
2021年制作開始、プロジェクトリーダーはTELL
各地のマップが出来上がりました。
合計するとA0サイズ5枚分という狂った広さのゲームです。
これこそシルクロードのスケール感!
同じコンセプトのゲームで日本語版が出てしまったのでネタバレすると、このゲームのシステムは『スリーピングゴッズ』とほぼ同じ。日本語版が出る前に本作を出したかったところです。日本でもこのレベルの重ゲーになれば、ほしい人けっこういると思いますからね。
とはいえ『スリーピングゴッズ』と違うのは、本作が移動メインのお使いゲーであること。デジタルゲームでいうと『DEATH STRANDING』に近いです。爽快感より達成感に全振りしています。重ゲーだから達成感をいくつも設定できるんですね。
今はシナリオを作っています。幸い、日本はTRPG黄金時代によって、ゲームブック風の文体は今でもライトノベル業界で生き残っています。その文体を借用しながら新たなボードゲームを作成中です。
2024年の抱負
2023年はあまり結果を出せなかったなぁと感じる一年でした。
制作数は確実に増えているんですけど、すべて空振り。
それで悔しい思いはあれど、道半ばにして諦める気持ちは微塵もありません。
2023年に引き続き、2024年も「結果」にこだわる一年としたいです。
数々の失敗をしてきましたが、その原因を追求できるほどの失敗事例が集まっていないので、とにかく失敗を重ねるつもりで試行錯誤していきます。
愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶと言います。しかし、賢者と出会うにはまず愚者にならねばなりません。歴史を知る賢者に出会い、歴史を教えてもらいましょう。創作の失敗を大っぴらに話す人はほとんど居ないので、まずはたくさんの失敗談をコチラからお見舞いしてやろうと思います。
そういうnote記事を隔週木曜にアップしていくので、経験の分解と知識の再構成を通して創作活動をアップデートしていきたいです。
誰よりも失敗する活動をぜひ見守っていてください。
今年もよろしくお願いします。
令和6年1月1日